いんせい!! #07 ごはん!!

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晴れた日はバーベキュー、それどころかピクニックもできそうなのがとこキャンですが、思い立っても先立つものが必要です。お金?いいえ、食糧です。
 

#07 ごはん!!

 
このコラムもいよいよ7回目を迎え、書いている当人としては軌道に乗ってきたなと思っていたのですが、「長い」「文字が多い」「匿名化出来ていないのではないか」といった貴重なフィードバックをいただいております。匿名化はまあまあ大丈夫だとして、長さで読まれないのも悲しいと思い、「いんせい!!」を始める段階では気持ち短めにしようと言い聞かせていました。結果、書いている当人があまり面白くなくなってしまったのか、気がついたら今まで通りの長さになってしまっていました。これはいけない、ということで今回はちょっと短めです。昼休みの中でご飯を食べられる時間のように。
 

とこキャンの食堂ラインナップ

 

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浮き世離れなとこキャンでも、ご飯を食べたくなるタイミングは多くの人が一緒で、その需要に応えるための食堂がいくつか存在します。中心的存在はなんといっても、ざっと200席はありそうな、100号館3階にある大食堂です。この食堂空間はeスクールの懇親会会場としても活用されていて、「いーすく!」ではあまり触れませんでしたが、筆者も何度か懇親会に足を運んでいました。その時はよもや、自分がこの会場の本来の使い方である「ごはんをいただく」という行為を日常的に行うようになるとは、ほんのちょっとしか思っていなかったです。
 
さて、とこキャンにはあと3つほど、食堂と言えそうな場所があります。まずはシンプル&スタイリッシュな101号館の吹き抜けの最下部(1階)にある、食堂、というよりミーティングスペースっぽい一角です。開学から30年近くを経て、ちょっとずつベテランの風格を増してきたキャンパス施設群において、ここだけはリーフレットの撮影場所にありがちな上質感が支配しています。同じ学生であるはずなのに、この空間内で佇む学生は意識が高そうに見えるもので、つくづく環境って大事だなと思うのです。
 

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その理屈だと意識が低そうに見える100号館に目を戻しますと、意外や意外、実はこちらにもコンセプチュアルな食堂が存在しています。「木の食堂」と通称されるその一角は、インテリアがほぼ木材で構成されており、さながらログハウスの雰囲気です。自然の中にあるキャンパスとしては、なんともはや非常にしっくりくるというか、むしろなぜ他のインテリアもこうしなかったのかと言いたくなるほどのフィット感です。
 
ただ難点があり、「木の食堂」には食堂なのに配食コーナーがなく、もうそれ食堂じゃなくて待合スペースなのでは?なる状況ということです。かわいそうなので補足しますと、以前は某有名牛丼チェーンの正式な支店が存在していたのですが、どう考えても採算が合わなかったであろう現実に耐えかねてか撤退してしまいました。
 
最後に、これは同列に語るべきではないのかもしれませんが、大食堂を見下ろすように存在する小さな食堂にも言及します。こちらはお察しの通り、教職員専用食堂です。そのため学生は利用できません。しかしこの規定には例外があり、教職員と同行する形であれば、学生もお邪魔できることになっていました。大食堂はピーク時間帯に混雑するという事情と、なにかと時間がないお昼休みの現実を総合的に勘案し、4年ゼミが一旦終わる2限終わりの先生を密着マークして教職員食堂に入り込むことも多くありました。
 
ちなみに教職員食堂のメニューのお値段は階下の食堂より少し高めですが、味はまとも、少なくとも筆者が中高を過ごした寮のアメイジングな食事よりは相当にまともでした。
 

とこキャンの売店ラインナップ

 
学生から学部長まで、全大学関係者の活力源たる食堂ですが、残念ながらその活躍の時間は限られています。営業時間は朝から晩まで・・・どころか、昼間もピークを過ぎればあっさり閉店してしまう状況なのですが、とこキャンにはそんなときでも助けてくれる味方(売店)があります。
 
・大学生協 
まずご紹介するのは大学生協、学生や教職員の間では単に「生協」と呼ばれて親しまれている、正統派の売店です、その品揃えはなかなか侮れないもので、消えものではお弁当や総菜パン、雑貨系では大学グッズからMacbookまで非常に手広くカバーしています。加えてTAからすると、実験室の備品などの大量発注時に常に対応してくれる頼もしい存在で、店員さんに顔と研究室名を覚えられればあとはしめたものです。人間、悪くない文脈で顔と名前を覚えられると悪い気はしないもので、在庫処分のお菓子などをついつい買ってしまったりするのもやむを得ない出費です。
 
・夢を見ましょうなコンビニ襲来
とこキャン内物販シェアが独占状態、向かうところ敵なしな大学生協ですが、筆者が在学していた最中に思わぬライバル・・・コンビニ(デ○リーヤマザキ)の進出を許してしまいました。特に100号館においては、大学生協とデイリーがフロアの上下で並ぶ形となり、学生はどちらが安いかの比較を簡単に出来るようになってしまいました。危うし大学生協。しかし元々大学生協の物価は安めに設定されていたこともあり、両者は見事に共存していたように思います。というより、どちらかにでも撤退されると購買環境が一気に悪化するので、どっちも栄えて欲しいというのが学内関係者の総意ではないでしょうか。
 
・仁義なきフードトラック参入
生協、コンビニのゆるふわガチバトルが繰り広げられる中、更に予想外の店舗が学内に登場しました。それは週の1日か2日、確か水曜と木曜といった塩梅で、100号館と101号館を結ぶ道路に現れるフードトラックです。狙いはお昼時、101号館から食堂を目指す獰猛な学生たちで、効果は覿面だったと聞きます。そりゃお腹減ってて、かつあと5分は歩かないといけない、って状況の鼻先にロコモコ丼ちらつかせられたら誰だって買いますよ。
 

休講日登校という危機的状況

 
このように意外と分厚い食文化が育まれているとこキャンですが、彼らの息吹が一気に途絶える瞬間が存在します。それは休講日です。当然といえば当然な話です。しかし休講日に誰も登校しないかと言われれば、そんな訳がないというのも大学という施設の特徴です。だってゼミがありますし、実験がありますし、むしろ休日にしかできないこともあるのですよ。
 
ある年は冬場も冬場、学生の卒論提出が掛かった大変な時期にまさかの休講日が設定され、何言ってんだそんな場合じゃねえよとばかりに学生・院生がゼミ室に集うという日がありました。ご飯はありません。お菓子も売ってません。フードトラックなんて伝説上の存在です。割と小食な筆者もこの時ばかりは焦りましたが、食堂近くにひっそりと佇むカップラーメンの自販機を発見し、こっそりと複数購入して万が一のときは自分だけでも生き延びる算段を整えて正気を保ったのでした。とはいえ備蓄しても仕方ないので、結局一気に消費しました。かんすいとかんすいの夢のコラボレーション。よっしゃ次からは絶対に麓で弁当買ってから来る。
 

ちなみにバーベキュー場もあるよ

 

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なにしろ散々書き散らしているこのロケーションですから、いっそどっかでバーベキューやってもバチが当たらなそうなものですが、なんととこキャンにはバーベキュー場が常設(※要予約)されています。しかもゴージャスなことに、全天候型(屋根付き)、という特殊仕様だから驚きです。バス待機列の屋根は割とショボいのに、そもそも正門のバス降車口から建物までのプロムナードに屋根の類は一切ないのに、肉を濡らす心配は限りなく低くできるのです。残念なのはバーベキューの花形というか前提条件に近いんじゃないかと思える開放感が、どの方角の視界も壁か法面で囲まれているという仕様のためほとんど望めないことですが、山と考えても過言ではないとこキャンの天候には無類の冗長性を発揮しています。
 
こんな感じで、あら思っていたよりは結構あるじゃないの、楽しげじゃないのと思われた方もいらっしゃるかもしれません。実際こうして書き出してみて、案外悪くないのかもしれない、という気分に浸ることができました。これに気をよくしまして最後に、お昼休みに活用できる、とこキャン周辺部のご飯どころの紹介で締めくくりたいと思います。
 
いつもありがとう。良いごはんです。
 
 
 
(初出:2021/01/17)